台風、地震…相次ぐ災害と鉄道
風に煽られたタンカーが関空へ渡る連絡橋に衝突し、道路橋だけでなく鉄道橋の方も破損した。橋桁そのものがずれているため、早期の再開は困難だろう。マスゴミ報道や絵面だけ見ると「ざけんな船」という印象を持つが、飛行機欠航が確実の中、台風接近ギリギリまでタンカーに給油を求め、避難を許さなかった関空の方に問題があるのではないかという説が出ている。真相究明を待ちたい。
(9/9追記)タンカーの荷揚げは前日に済んでおり、停泊位置も海保の推奨とは違う場所だったという説も出てきた。まあこれは日経や朝日がソースなので鵜呑みにするのは早計だ |∀・) 船が悪いということにすれば、全体として問題を小さくできるという大人の事情があるのかもしれないと、個人的には疑ってみようかな。

この二つの災害は矢継ぎ早に日本を襲い、それぞれで200〜300万戸レベルの大停電を引き起こした。これは当然鉄道にも深刻な影響を及ぼしている。上の画像はJR北海道のホームページからの引用だが、このように7日まで麻痺状態が続いた。
特に北海道地震の場合、前代未聞の全道停電の事態に陥り、JR北海道をはじめ、道内の鉄道・軌道線が全線にわたって運休した。9月6日は、北海道において1本の列車も運転されなかったことになる。北海道の路線は多くが非電化だが、とはいえ信号や通信に電気を使っており、停電すれば動けなくなることに変わりはない。
「地方単位で列車が全く止まった1日」。年中無休が身上の鉄道において、こんな事態は先の大戦のときですらなかった。
被爆した広島と長崎では、当日も山陽本線、長崎本線がそれぞれ可能な区間運行を続けていた。当時は非電化かつシステムがアナログだったのも「強さ」の理由だろう。また広電が被爆3日で運行再開した話は有名だが、実は宮島線は被爆当日も動き続けていた。あの状態でも電気が通っていたということである。
それに比べて今回の北海道の脆弱っぷりはなんだろうか。低コストで便利なデジタルに頼りすぎて、動かせるものも動かせなくなっているのもある。だが今回、最もまずかったのは、震源地近くの苫東厚真火力発電所に道内の電力の半分を依存しており、かつそれがダウンしてしまったことだ。どうしてこんなアンバランスなことになっていたのか。いうまでもなく泊原発が動かせないからである。
今回も泊原発に関してマスゴミは「外部電源喪失」と、福島第一原発の事故を想起させるおどろおどろしい言葉を弄してミスリードを図った。全道停電なのだからそんなもん当たり前ではないか。JRも病院も、魚屋も田中さんちも外部電源喪失である。もちろん原発には内部電源がある。泊原発もそれを用いて正常に維持された。福島の場合、この内部電源が津波で水没したために制御不能に陥ったのだ。災害時、いたずらに恐怖を煽るような報道は厳に慎まれるべきだ。
これは当時の民主党政権・菅内閣の悪しき置き土産である。その歪みを正すことができないまま、こういう形で露呈してしまったのだ。私も長期的には原発は減らしたほうがいいと思う。だが、安全に使えるものまでイデオロギーの圧力で止め続け、大混乱を招くのだとしたらおかしな話だ。この二つの災害には人災も含まれており、今後に大きな論点を提示したといえるだろう。
今回、震度7を記録した厚真町。鉄ヲタならすぐ思い浮かぶだろう、「あっ浜厚真駅!」。日高本線は苫小牧〜鵡川間30kmほどを残して廃止されることが確定的だが、浜厚真駅のある厚真町の区間は存続することになっている。だが、これだけの揺れがあって無事だったとは思えない。その他、室蘭本線のローカル区間や石勝線夕張支線など、あるいはこれでとどめを刺されたかと心配な路線の状況も伝わってこない。被害が軽微であってほしいと願うばかりだ。
で、この動画は東日本大震災で都電7500形が揺れる例の動画を、当時オクラにした素材も盛り込んで編集し直した拡大版である。虫の知らせなのか、北海道地震が起きる直前、急に思い立って編集し始めていた。日本に住む限り、誰の隣にも災害はある。そういう認識を改めて持たないといけない。(イノテツ)
| 東日本大震災関連 | 17:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑