きまぐれ 鉄道日和

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2009年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年02月

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気まぐれ日曜版:鉄道写真家、真島満秀の世界

ふとしたことで「鉄道写真家、真島満秀の世界」という本が目に入った。古い本かと思ってみたら、ごく最近の発刊である(2010/1/20)。早速買ってみた。

 内容紹介にもあるとおり、真島満秀氏の追悼集である。生前の写真、文章、親しい人たちや事務所の弟子たちの寄稿文などを集めている。

 ただし、写真の並べ方に関しては少し単調で、2ページもの、1ページもの、1/2ページものと単に切って並べたようなところがある。もっとも中の写真は超一流なのでそんなことを気にする人はあまりいないかもしれない。

 本書の特徴は真島氏がどういう人物だったのかが、仕事仲間や弟子やの寄稿文によって非常に良く浮かび上がってくる点だ。氏についてはいろいろ知りたいと思っていたところなので渡りに船のような一冊であった。

 この本で一番印象に残ったのが、電通の込山氏の寄稿文で、青春18切符のポスターを作るさいのやりとりだ。込山氏は発注側で、真島氏が仕事を受ける側の立場になる。その発注側のコメントである。

 広告写真であるため鉄道ファン以外にも受け入れられないと意味がない。そのため「脱」鉄道写真、毎回あり得ない構図を設計し撮影してもらった。

とのこと。そして、実に細かいイメージの注文をつけている点も刮目だ。たとえば、
「9割は空だけでホーム越しに海が見える駅を撮りたい」とか
「駅に着いた旅人が最初に見る改札越しの景色だけでポスターを作りたい」
「日本で一番美しくどこまでもうねりながら続くレール」
「水墨画のように霞んだ奥深い山間を疾走する新幹線を一発で撮りたい」

 なるほど広告制作というのはこういうものかと思った次第である。おそらく鉄道写真家としての真島氏はこの仕事をこなす中からもいろいろ学ぶことがあったんじゃないだろうか?

 最近このテーマというのが写真を撮るうえで非常に重要だと気がついたところなので、わたしも全く同じテーマで写真を撮ってみようかなどと画策中である。ただ氏の写真と並べると、笑える物ができる気がするのだが。


へーと思ったのは

1:若い頃はF1の写真を撮っていた
 ←だから瞬間を切りとるのがうまいのか

2:風を切り取るようになれれば一人前である、と知人に語っていたこと
 ←かっこいいなぁ

3:弟子には厳しかったこと
 ←そうだったのねw 真島氏というといつもニコニコ笑顔の人というイメージだったのだが、複数のお弟子さんの寄稿文の中にこう書かれているのでちょっと意外だった。もっともその厳しさが後で役に立ったとのことなのだが...

最後にその弟子の中井精也氏の寄稿文がやはり心に響いた。

「でも正直な話、重箱の隅をつつくような欠点を指摘され、うっとうしく感じていた。まるで自分の本質を否定されているように感じて憎んだこともあった。本当に自分のことを思ってくれた人を、そんな風にしか感じることができなかったあの頃の自分が今は恥ずかしくて仕方がない。
 そして今も僕の心の中の先生は安らかに眠っていてはくれない、常に厳しく辛辣な目で僕のすべてをチェックしている。(以下略)」

と書かれている。死んでもなお人を動かしているという感じがすごい。最後に表紙を撮るときのエピソードもおもしろかった。

「最初僕(中井)が同じ場所に立ったものの全く絵にならず、先生にモデルになってもらい先生が作った構図で僕がシャッターを押しました。「俺って絵になるずら?」とおどけていう先生は本当にかっこよく、駆け出しの僕には輝いて見えたのを覚えています。」

なるほどー。私ももし雑誌が続いていたら、一緒に仕事をすることになったかもしれないと思うと、うらやましい限りである。と同時に偉大な人を失ってしまったんだなぁと改めて思った。
 本については、このほかにも読めば読むほど味のある言葉がでてきて、鉄道風景写真を撮る人なら一冊持っていても絶対損にはならないと思う(アホキ)


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