きまぐれ 鉄道日和

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深夜の飛鳥山

「どうしても納得いかない出来事がありまして…」
勤め人時代の後輩からそんな電話があって、その夜、赤羽で会って酒を飲んだ。さらに王子の立ち飲み屋に移動して終電近くまで飲み、京浜東北線のホームで彼を見送って別れた。
私が乗る方向の電車は遅れているという。めんどくさくなったのでスイカの処理をしてもらって駅を出た。もともと、あんまり電車に乗る気はなかった。30分くらい歩けば帰れるのだ。

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都電の軌道に沿っていくのが通常だが、飛鳥山を越えていくことにした。昼間は大いに賑わう飛鳥山公園も、今は誰もいない。オサーンがこうして滑り台に登っていても、不審者扱いされることもない。私はここにしばらく佇み、都電6080号車の廃車体を眺めながら、さっき別れた彼の人生のことを思った。

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天涯孤独の彼の身の上は、大抵の不幸自慢が陳腐に聞こえるようなきついものだ。何度か死にかけながら、奇跡的に現在の職にありついている。だが妨害に遭って誤解され、その職が危ういのだという。

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結局のところ、私が彼にできるアドバイスなどないのだ。この歳になると、もう4歳程度の差に、何のアドバンテージもない。ディープな経験を積んできた彼に、私ごときが何を言えようか。だからもう私は始めから気負うこともない。彼の痛みがわずかでも共有できるだけでいいと思っていた。
あとは、デザインや絵や、音楽なんかの話をした。将来の夢の話もした。それを踏まえて、今の状況は不本意だけど、まずは耐えて、誤解をはらすまで辞めちゃいけないね、という結論に至ったのだった。

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踏切で線路の写真を撮っていたら、警官に声をかけられた。
「いや、もう電車は来ないでしょう?」「でも、危ないですから」。要は不審者を排除したかったのだろう。やれやれ結局不審者扱いか('A`) なんか私自身、世間の明るいところに居場所が見出せないでいる。実際もうすでに、一般的な人生の線路からは大きく外れてしまった。でも、こういう人間だって、存在してる意味はあるんだぜ。そう思いながら、ふらふらと暗い路地を歩いていた。(イノテツ)
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| 都電・路面電車 | 00:32 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

なんだか、ブログというより、エッセイを読んでいるような気分になりました。
「どうしても納得いかない出来事がありまして…」
という書き出しもいいですね。
写真も文章と雰囲気が合っていて、特に、最後の写真なんかすごい雰囲気あります。

以前、友人の連帯保証人になったばかりに数億からの借金を抱えてしまった人の本をつくったことがありましたが、その時、友人も親戚もみんな離れていったけれど、黙って寄り添ってくれた人がいたというようなことが書かれていました。
私も、つらい思いをしている人に、だからと言って私がその人に何かをしてあげることはできないけれど、そっと寄り添ってあげられる、そういう人でありたいと思います。

私もいろいろありましたが、今はもう、この年まで生きて来られただけで人生大成功、と思うようにしています。

| タラ坊 | 2015/10/27 17:57 | URL |

タラ坊さん

ありがとうございます。確かに、会話文から始まるブログは珍しいかもしれませんねw また、今回の写真は携帯カメラによるものです。私が撮る写真は、アホキさんも携帯カメラの方が良いとおっしゃいます。一眼レフが使いこなせてないということかもしれません('A`)
一応鉄道ブログということでやってきたわけですが、我々は専門的なことには明るくありませんし、話の場面設定に鉄分が含まれていればいいかなと、多少脱線したものを書きました。その代わり、いつもの冒頭の余計な話はやめました |∀・)
もちろん、この話は全て実話です。ただし、彼の人生は本当にやばいので、特定されると私まで狙われかねず、核心部分は端折りました。
常人の人生では、プラスを積み重ねて高いところへ登っていきます。しかし彼は大きなマイナスを背負い、それをゼロへ戻すために、常人がしなくていい苦労を重ねています。実際、そういう人物と付き合うことに、周囲の皆が反対します。けれど私は、彼が人生をどう切り開いていくのか、興味があるのです。力にはなれなくても、それを見届けたいと思っています。

| イノテツ | 2015/10/28 00:06 | URL |















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