きまぐれ 鉄道日和

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それぞれの5年〜震災の日の荒川車庫

英国の名音楽プロデューサー、ジョージ・マーティン氏が亡くなった。90歳だったそうだ。その年齢からも時の流れを感じさせられたし、あの時代をリアルタイムで感じられなかったことが際限なく悔やまれる。
世間をして彼を「5人目のビートルズ」などと評するのだが、浅はかな知識でそんな失礼なことを言わないでほしいものだ。彼はビートルズの親方であり、「5人目」なぞでは断じてない。ビートルズを見いだし、その才能を開花させた立役者なのだ。
ビートルズは前期のアルバム『Help!』(1965年)まででも十分ロック史に名を残しただろう。だが、その真の巨大さを現すのは同年の次作『Rubber Soul』からだというのが、私も含めた一般的な意見だと思う。『Rubber Soul』のハイライトは「In My Life」から「If I Needed Someone」への流れだと個人的に信じて疑わないが、この「In My Life」でとりわけ印象的なピアノを弾いていたのがマーティンだと知り、すっかり彼のファンになった14歳の冬。特に中期以降の名作群、「未来永劫古びようがねえよ、ずりーよ」と少年時代の私が感嘆したサウンドは、彼なくしてでき得なかった。素晴らしい才能同士が奇跡的に融合し、至宝が生まれたのだ。
一方、ビートルズの解散と前後して、マーティンはエドワーズハンド、スタックリッジ、アメリカといったアーティストをプロデュースしており、これらもまた素晴らしい。巨大な才能が去ったことを惜しみ、追悼の思いを込めて、これらの作品群を聴いているところだ。

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東日本大震災の発生から5年という節目を迎えた。ここで改めて、犠牲になられた方々のご冥福と、被災者へのお見舞いを申し上げます。
この震災は東北関東沿岸部の被災地のみならず、首都東京を含めた広範囲が被害を受けた点で、日本の災害史上最も多くの人の心に残るものとなったのではないだろうか。あれから5年。変わり果てたもの、変わらずにいるもの、成長した人、年老いた人、それぞれだろう。5年前のこの日、帰宅困難者となってうちに泊まっていた父は既にこの世にいない。
この節目の時に私は何をしよう、そうだ、あの瞬間にいた場所に行こうと思い立ったのだ。5年前と違って今は忙しく、かつ天気が悪い上に花粉症の症状がひどく、外出どころではなかったのだが、押し寄せる仕事を徹夜でこなし、その時間にその場所へ行くことにした。
あの瞬間にいた場所とは、ここである。

DSC_9354.jpg

都電の荒川車庫だ。穏やかに晴れた午後だった。このとき震度5強の揺れに見舞われており、引退寸前の7500形7511号車(手前の車両)は激しく揺れていた。この様子はスチルで伝わるわけがないと、とっさに動画撮影に切り替えたことを覚えている。これはテレビでも採り上げられたし、世間で「後世に残すべき震災動画」の一つに数えられるような代物となった。

P1120790.jpg

そして14時46分、上の写真からちょうど5年後の瞬間がこれである。当時、引退直前の7511がいた場所には、デビューを控え車庫内で試運転をする新車8906号車がいた。隣の8800形と比べても、新味のなさには涙が出るほどだが、まあとにかく、こうして世代交代は進んでいるのだった。

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一方、昭和を知る最後の現役車両7000形は順次廃車が進んでいる。8両だけが残され、モーターなどの機器類を最新のものに換装した上で「7700形」と改名して再デビューすることになっているのだが、緑地に細いラインが入ったレトロ調の出で立ちとなった画像を見かけた。これはかなりかっこいいです♪ 最近妙にカラフルになった荒川線にあって、「ラインカラーはあくまで緑!」と主張する意味もあるのかも。新味という点ではむしろこちらの方があり、楽しみだ。でもまあまだあんまりばらしちゃいけない情報らしいのでこのくらいにして、素直に再出発を待つことにしましょう |∀・)

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「また明日 信じてるから いう言葉」
新聞に載ってた子供の句である。いい年こいた大人ですら、明日は普通にやってくると思っていないだろうか。震災は、子供がこういうことを思うような出来事だったのだ。辛い経験をしたことで、心の時間が止まってしまうことがある。私はそういうとき、その時計を無理矢理動かす必要はないと思っている。被災地では復興が進む。だが、地盤をかさ上げするために盛られた土の下に、まだ行方不明者がいるのではないかと懸念する声もある。何もかもを前に進めるべく急げばいいというものではない。アグレッシブばかりが先行すると、癒えぬ傷を抱える人たちが置き去りにされかねないのではないか…。最近はそんな風に思っている。(イノテツ)
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| 東日本大震災関連 | 23:55 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

昨日、震災関連の番組を見ながら、品川から銀座まで、そして両国から家まで延々歩いて帰ったんだっけなぁと、あの日のことを思い出していました。
子どもの句ではないですが、あの震災から私が得たものは、明日のことはわからないという思いでした。
明日どころか、1分先のこともわからないですね。
『心配事の9割は起こらない』という本がありましたが、自然災害に関しては、これは当てはまらないような気がします。

ジョージ・マーティンはもう90歳になるんですね。ポール・マッカートニーは70何歳だし、私も含めてビートルズに夢中になっていた(中学生の頃はファンクラブ入っていましたし)人たちのほとんどは65歳以上の高齢者だし、時の流れというのは残酷です。

| タラ坊 | 2016/03/12 17:54 | URL |

タラ坊さん

『心配事の9割は起こらない』っていうのは、確かにその通りでしょうね。自然災害に至っては九分九厘起こりません。しかし、だからといって最後の一厘を忘れると、狙いすましたようにやってくるから怖いんですね。神様の中には性悪なのがいて、そうした瞬間を待っているのかもしれません。御嶽山の噴火は最悪のタイミングで起きましたよね。あれなど、最大限の被害が出るように狙いすましていたとしか思えません。自然に対して常に安心が出来ないというのが、日本人に与えられた宿命なのでしょう。

ジョージ・マーティンへのショックが冷めやらないうちにキース・エマーソンが亡くなりましたね。彼も71歳だったそうです。60〜70年代の英国のロックは実に素晴らしく、私はちょうど今もムーディーブルースを聴いていますが、最近の音楽などつまらなくて聞いてられません。宝物を生み出した当人たちは老いて去っていきますが、遺された宝物はいつまでもみずみずしく、私のように当時を知らない後の世代にも聴き継がれていきます。

| イノテツ | 2016/03/13 03:22 | URL |















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